事務所Blog

2021年8月30日 月曜日

教育資金の一括贈与特例の活用

    これまで相続税対策を何もしてこなかったため、すぐに取り掛かれる相続税対策はないですかというご相談があり、お孫さんが何人もおられる方でしたので、「教育資金の一括贈与の特例制度」のお話をさせていただきました。
 「教育資金の一括贈与」とは贈与税の特例制度で祖父母から子供や孫の世代へと教育のための資金を一人につき1,500万円まで非課税で贈与できる制度です。本来、一年間の非課税枠は受贈者一人当たり110万円で、また相続となれば多くの資産を保有している場合相続税も多額となります。「教育資金の一括贈与の特例」を利用すれば、一人につき1,500万円まで非課税で子供や孫に贈与出来るため、例えば3人の孫に教育資金を一括贈与する場合は4,500万円まで非課税となり、相続対策としても非常に有効な節税方法です。
 制度の概要を見ていきたいと思います。
1. 期 間:令和5年3月31日までにこの制度を使って贈与。
2. 受贈者:贈与を受ける時に30歳未満の子供、孫であること。
    前年の所得が1,000万円を超えていないこと。
3. 贈与者:贈与する人は直系尊属(祖父母や父母)であること。
4. 対象となる教育資金
① 学校などに対して直接支払うもの(1,500万円まで非課税)。
入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費、入学試験の費用、学用品費、修学旅行費、給食費など。
② 学校以外へ支払うもの(500万円まで非課税)。教育資金の一括贈与は1,500万円まで非課税ですが、そのうち500万円までは学校以外の課外活動でかかる以下のような費用も適用対象となります。学習塾やスイミングスクールなどの月謝、スポーツインストラクター、ピアノ・絵画の講師へ支払う指導料、上記で使用する物品の購入代金、制服や体操着など学校が必要と認めたものの購入代金、通学定期券、留学のための渡航費など。
5. 手続きの流れ
贈与者を祖父母、受贈者を孫として手続きを見ていきましょう。
① 贈与者(祖父母)と受贈者(孫)の間で贈与契約書を交わす。
② 受贈者(孫)名義で金融機関に教育資金口座を開設する。
③ 口座を開設した金融機関に「教育資金非課税申告書」を提出する。
(「教育資金非課税申告書」を金融機関経由で税務署に提出する。)
④ 贈与者が教育資金口座へ教育資金を入金する。
⑤ 孫が授業料等を支払い、領収書を受け取る。
⑥ 教育資金口座を開設した金融機関へ領収書を提出し、教育資金口座からお金を引き出す。
6.注意したいこと
    教育資金の一括贈与の特例制度を利用して贈与を受けたものの30歳の誕生日までにその教育資金を使い切れなかった場合、残った金額に対して贈与税がかかるため注意が必要です。
    このようなお話をさせてもらいました。この特例制度を利用しても1年間で110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与は使えますし、子や孫に必要な生活費や教育費をその都度渡しても贈与税はかかりません。相続税節税のための贈与の方法を私どもも一緒に考えさせていただきます。と、付け加えてお話をさせていただきました。
    私どもは出来るだけの節税をして大事な財産を次の代へ引き継ぐお手伝いをするのが大事な業務と考えています。何でもご相談ください。

 
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘

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2021年8月23日 月曜日

遺言書と遺留分

 遺言書の件で色々と相談を受けることがあります。遺言書には主な種類としては、自分で手書きする「自筆証書遺言」と元裁判官など法律の専門家の公証人が聞き取りなどを基に作成する「公正証書遺言」の2つがあります。
 いずれの方法であっても自分の財産をどう分けるかという処分の権利は一応所有者である遺言者にあるのです。ただそれを貫徹すると被相続人の財産を頼りに生活する相続人が犠牲になる。これを避けるためでしょうか、民法では一定相続人に「遺留分」という権利を保障しています。
 遺言書などで被相続人からの配分の指定がない場合に相続人間の遺産分割協議で分割を決めなければなりませんが、その時の参考になる法定相続分が民法で決められています。配偶者は1/2、子供は1/2を子供の人数で割った額です。これを「法定相続分」といいます。
 先ほど申しました「遺留分」はこの「法定相続分」の1/2と決められています。被相続人に子供も両親もいない場合、配偶者(法定相続分3/4)と兄弟姉妹(法定相続分1/4)が相続人になりますが、兄弟姉妹に「遺留分」はありません。このときの配偶者の遺留分は1/2とされています。
 遺言によって、本来もらえるはずの「遺留分」より相続財産が少なくなった人は「遺留分侵害額請求権」という権利を使って侵害している人に不足分を請求できます。ただし、相続の開始または遺留分の侵害を知った時から1年間が期限となっています。
 このように遺言書による財産の引継ぎにも難しい問題がたくさんあります。私どもでは遺言書の最後に「付言事項」として法的な効力があるわけではありませんが、この遺言書で記した財産分割の方法、分け方を決めた理由等を記し、相続人皆で協力して財産を生かしてほしい旨、皆で仲良くやっていってほしい旨、生前よくしてくれたことへの感謝の気持ち等を記しておくことをお薦めしています。
 実際に遺言書作成時からかかわらせていただいた方に相続が発生し49日も終わったころ、遺族の方が事務所を訪ねてくださり「自分は遺言書の内容は納得できるものではなかったが、付言を見て、父の想いもわかり了承しました。」というお言葉をいただきました。
 私も遺族間で争いになったりせずに終わり、ホッとし嬉しく思いました。遺言に限らず相続のこと税金のこと何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘

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2021年8月16日 月曜日

遺産の分割方法

 遺産の分割で困っておられる方は少なくありません。分割の方法として、割合等については民法で配偶者は1/2子供は1/2を均等に分ける等の配分の参考的な数字は規定があります。もちろん、それが強制されるわけではなく遺言書等がない場合は相続人全員での協議によるものとされています。
 その遺産の分割には次のような方法があります。まずは相続財産を現物のまま個々に分配する方法です。単独でそれぞれの現物を引き継ぎ所有することになりますが、それぞれの相続財産の価値に偏りがあると公平に分けることが難しくなる場合があります。
 次に、一つの財産をAとBが2分の1ずつ相続するなど、複数の相続人が持ち分を定めて共有する方法です。公平に分けることが出来ますが、共有で所有している財産は共有者の意見がまとまらないと管理や処分に支障が生じることになるため、安易に選ぶべきではありません。
 次に、相続財産を換金して分配する方法です。売却の手間やコストがかかりますが、現金化することにより分配がしやすくなります。
 次に、現物での分割が困難な場合に行われることが多いのですが、一部の相続人が相続財産を現物で取得する代わりに他の相続人に対して一定の債務を負担する(自らの財産から金銭等を支払うなど)方法がとられることもあります。
 先に述べましたように資産の共有は権利関係が複雑になり、また利用や処分が自由に行えなくなるため、兄弟間での共有は避けて他の方法により調整を図るのがいいと思います。ただし、被相続人の自宅を相続後に売却する予定があり「居住用財産の3,000万円控除」や「空き家の3,000万円控除」の特例の適用を受けることが出来るようであれば、適用を受けることが出来る人が複数で相続した方が有利な場合があります。これらの控除は売却した者ごとに譲渡所得から最高で3,000万円を控除することが出来るため、共有で相続した後に売却した方が税負担を抑えることが出来るためです。
 私どもでは相談に来られた方それぞれの状況・事情を充分にお聞きして、その方、その一族にあった分割、分割方法を一緒に考えさせていただくようにしています。
何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘

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