事務所Blog

2021年6月28日 月曜日

債務がある場合の遺産分割と相続税

 相続が発生し相談に来られた方から「借金もあるのですが相続財産を分けるときに注意しなければならないこともあるのでしょうね」という趣旨の相談がありました。
 相続税を計算するときは、被相続人(亡くなられた方)の債務や葬儀にかかった費用を相続財産の価額から差し引くことが出来ますが、遺産分割の方法により相続税に大きな差が生じることがあるので注意が必要です。
 債務控除できるのは、被相続人が死亡した時にあった債務で確実と認められるものです。借入金であっても団体信用生命保険に加入している住宅ローンは被相続人の死亡により支払われる生命保険金により弁済されるため債務として控除することは出来ません。
団体信用生命保険は契約者が金融機関であって住宅ローン契約者ではないので生命保険金の非課税(500万円×法定相続人の数)の適用はありません。
 相続税の計算では各人ごとに相続財産から債務を差し引いて課税価格を計算し、その各人の課税価格を合計して相続税の計算をします。その際に各人の課税価格が債務を差し引くことによりマイナスになる場合は課税価格をゼロとすることになっており、他の相続人からそのマイナス部分を控除することは出来ません。そのため、取得する財産の価格を超えて債務を承継する人がいる場合には、他の相続人の相続税の負担が思いがけず増えることがあります。
 特に借入金の額が大きい場合や融資を受けて取得した不動産の相続税評価額が借入金の額よりも低い場合にはこのような問題が生じやすくなります。債務がある場合は、まず相続税の評価を慎重に充分に行った後、遺産分割する必要があると思います。
 被相続人に銀行借入金などの債務がある場合、全ての相続人が相続発生と同時に民法の法定相続分(配偶者1/2、子供1/2×1/子供の人数)に応じて負担する義務を借入銀行に負います。遺産分割協議により誰が債務を承継するかを決めることが出来ますが対借入銀行に対して負担義務は残るのです。
 難しいことが色々とあります。私どもでは最大限の節税をしながら相続された方が将来困ったことにならないように充分に相談しながら進めて行きたいと思っています。
何でもご相談ください。
 
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘

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2021年6月21日 月曜日

預金引き出し 認知症への備えは

 人生100年時代。高齢化がどんどん進んでいます。
高齢化社会、長生きが出来るのは嬉しいことですが、その中には" 認知症 "になってしまう人も多いそうです。認知症の症状が現れると、自分の財産の処分が何も出来なくなり困ることになります。預貯金の引出しなど、昔は簡単に家族にしてもらえたことも、今は出来なくなっていることが多いです。原則として配偶者でも子供でも本人に認知症が出た後は代理出来ないのです。
 本来想定されるのは、成年後見制度の利用だと思います。家庭裁判所に選ばれた後見人が代理で出来るのです。しかし手続きの煩雑さなどからなかなか利用されていません。このような状況を鑑み、金融庁からの要請で今年3月全国銀行協会は法的な代理権のない親族からの引出し依頼について「(医療費の支払いなど)本人の利益に適合することが明らかである場合に限り、依頼に応じることが考えられる」との指針を示しました。ただし「極めて限定的な対応」とされ、成年後見制度の利用を求めることが基本になっているようです。
 最近、金融機関の新たなサービスとして代理人を先に指定できるサービスを始めたところもあります。この「予約型代理人」サービスは顧客が認知・判断能力の低下に備え、あらかじめ金融取引の代理人を指定できるものです。代理人取引が可能になる時期は金融取引の判断が本人では難しくなった後からとなっています。そのため、専用の診断書が準備されており病名の他「金融取引の判断能力」について医師の診断項目を設けてあります。
 高齢になっていく本人がこれからの自分のことを心配されることもあるし、家族が高齢になっていくお父様やお母様のことを心配されていることもあると思います。まずはご家族で話し合いを充分にされることが大事だと思います。
 私どもにご相談くださるようでしたら、充分にお話をお聞きし、ご相談くださる方の想いに最も合う方法を一緒に考えさせていただきます。民法上の「成年後見人制度」にもご本人の判断能力があるうちに将来に備えてあらかじめご本人が後見人を決めておく「任意後見」という制度もあります。「任意後見」に私どもをご指定いただくことも可能です。色々と相談にのらせていただきます。何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘

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2021年6月14日 月曜日

配偶者居住権とは

 社会の高齢化が進み平均寿命が延びたことから、夫婦の一方が亡くなった後、残された配偶者が長期間に渡って生活を継続することも多くなっています。
 そこで民法の改正により令和2年4月1日から適用が開始された" 配偶者居住権 "を活用して配偶者が住み慣れた住居に居住しながら老後の生活資金としての預貯金等の確保もしやすくなりました。この" 配偶者居住権 "というのは配偶者が自宅不動産(自宅建物およびその敷地である宅地)の所有権を相続しなくても自宅への居住を継続することのできる権利なのです。不動産の所有権を引き継がない居住の権利だけですので評価は下がります。それで他の預貯金等を相続できる権利が多くなるということなのです。永い間住んできた住み慣れた住居に生涯居住できることは幸せですよね。
 税務面でもこの" 配偶者居住権 "を持つ配偶者が死亡した場合には民法の規定により配偶者居住権が消滅することになります。次の代(例えば息子さん)への相続ではこの配偶者居住権として評価されていた分だけは有利になることになっています。
 ただこの配偶者居住権は譲渡・売却ができない。とか配偶者居住権の権利を生存中に放棄するということは配偶者居住権がついている家屋・敷地の所有者に贈与があったとされ贈与税の対象とされるとか色々と難しい問題もあります。
 私どもの事務所でもいわゆる「争族」といった争いを避けるためのご相談や節税対策としてのご相談も色々とお受けいたしています。民法改正等の新しい制度も充分に検討をして活用していくようにしています。何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘

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