事務所Blog

2021年8月23日 月曜日

遺言書と遺留分

 遺言書の件で色々と相談を受けることがあります。遺言書には主な種類としては、自分で手書きする「自筆証書遺言」と元裁判官など法律の専門家の公証人が聞き取りなどを基に作成する「公正証書遺言」の2つがあります。
 いずれの方法であっても自分の財産をどう分けるかという処分の権利は一応所有者である遺言者にあるのです。ただそれを貫徹すると被相続人の財産を頼りに生活する相続人が犠牲になる。これを避けるためでしょうか、民法では一定相続人に「遺留分」という権利を保障しています。
 遺言書などで被相続人からの配分の指定がない場合に相続人間の遺産分割協議で分割を決めなければなりませんが、その時の参考になる法定相続分が民法で決められています。配偶者は1/2、子供は1/2を子供の人数で割った額です。これを「法定相続分」といいます。
 先ほど申しました「遺留分」はこの「法定相続分」の1/2と決められています。被相続人に子供も両親もいない場合、配偶者(法定相続分3/4)と兄弟姉妹(法定相続分1/4)が相続人になりますが、兄弟姉妹に「遺留分」はありません。このときの配偶者の遺留分は1/2とされています。
 遺言によって、本来もらえるはずの「遺留分」より相続財産が少なくなった人は「遺留分侵害額請求権」という権利を使って侵害している人に不足分を請求できます。ただし、相続の開始または遺留分の侵害を知った時から1年間が期限となっています。
 このように遺言書による財産の引継ぎにも難しい問題がたくさんあります。私どもでは遺言書の最後に「付言事項」として法的な効力があるわけではありませんが、この遺言書で記した財産分割の方法、分け方を決めた理由等を記し、相続人皆で協力して財産を生かしてほしい旨、皆で仲良くやっていってほしい旨、生前よくしてくれたことへの感謝の気持ち等を記しておくことをお薦めしています。
 実際に遺言書作成時からかかわらせていただいた方に相続が発生し49日も終わったころ、遺族の方が事務所を訪ねてくださり「自分は遺言書の内容は納得できるものではなかったが、付言を見て、父の想いもわかり了承しました。」というお言葉をいただきました。
 私も遺族間で争いになったりせずに終わり、ホッとし嬉しく思いました。遺言に限らず相続のこと税金のこと何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘


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