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2021年2月15日 月曜日

相続後の資産の売却について

相続により取得した資産を、相続税の申告期限(死亡から10ヶ月)から3年以内に譲渡すると、譲渡所得の計算上、相続税額のうちその譲渡資産にかかった相続税を取得費に加算することができ、税負担を抑えることが出来ます。相続税の納税資金のために相続財産を売却する時や、亡くなられた方が個人で所有していた事業用資産を会社に売却する時なども、この特例の適用を受けることが出来ますので、相続税の申告期限から3年以内に実行できれば節税に繋がります。
 相続した同族会社株式の株価が高く、相続税の納税資金が不足するケースでは、株式をその発行会社である同族会社に売却し、その売却代金を納税資金に充てるという方法があります。個人が非上場株式を発行会社に売却した場合、みなし配当課税が行われ、総合課税による超過累進税率により多額の税負担が生じることがあります。しかし、その売却が相続税の申告期限から3年以内に行われた場合には、みなし配当ではなく株式の譲渡所得として取り扱われる特例があり、さらに相続税の取得費加算の特例も併せて適用を受けることができ、税負担を抑えることが出来ます。
 私が税理士として関わらせていただいている資産保有の同族会社の社長の親族の1人である大株主様が亡くなられて、その息子さんが相続されたのですが、株価も高く相続税負担も多額になってしまいましたので、会社でその株式の一部を買い取ってもらうことになりました。ところが、相続をされる方は、まだ若いがしっかりした会社にお勤めで、給与所得が大きい方ですので、この株式の譲渡を税法の原則的なみなし配当課税で行うと総合課税となり、超過累進税率により多額の所得税負担を負うことになってしまいます。そこで、「相続財産である非上場株式をその発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の不適用の特例」という特例制度を活用するため、譲渡する時までにこの特例を受ける申請をその発行会社に出し、会社は譲渡を受けた日の翌年1月31日までに所轄の税務署に特例適用の申請届出書を提出しました。それで、みなし配当でなく株式の譲渡所得として扱われますので、申告分離課税とされ所得税は15.315%で済み、住民税も5%で済みます。さらに譲渡所得なので相続税の取得費加算の特例も併せて適用でき、税負担を大きく抑えることが出来ました。私どもは税制上の特例も最大限に活用し、税の負担を最大限に抑える方法を追い求めています。何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘


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