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2019年11月18日 月曜日

将来展望を持ったアパート建設で相続対策

   相続税を減らすために保有する土地に賃貸アパートを建ててはどうか、と不動産会社の方に勧められていますが、どうでしょうか。と相談がありました。
   土地にアパートやマンションなどの賃貸用住宅を建てるのは相続税対策ではよく使われる方法です。アパート等が建てられた土地は持ち主の自由にならない財産とみなされます。その分、相続時の税額を計算する際の評価額が下がり、節税に繋がりやすいのです。
   土地の評価額はまず「路線価」をもとに計算します。路線価は国税庁から毎年7月に公表されており、実勢価格の80%程度になるのが通常とされています。アパートを建てて賃貸すると土地は「貸家建付地」として評価減されることになります。具体的には借地権割合、借家権割合という数値を掛け合わせ、その分を減額します。借地権割合は地域によって異なり、路線価の地図上にA(90%)~G(30%)の記号で示されます。借家権割合は都道府県ごとに年1回決まりますが、ほぼ一律で30%となっています。
   一方、アパート等の建物の評価は家屋の固定資産税評価額によりますが、借家権割合×賃貸割合が控除出来ることになっています。固定資産税評価額は一般的に建築価格の60%くらいになるので、アパート等を借入金で建てた場合の相続税評価減は大きいです。
例えば、相続税評価額1億円の土地に1億円の借入をして1億円のアパートを建設した場合、借地権割合が60%の地域であると

 

土地評価額:1億円×(1-60%×30%)=8,200万円
土地評価額:1億円×60%×(1-30%)  =4,200万円
借入債務の控除                               △1億円
                                          差引  2,400万円
 


 
 

     相続税評価額1億円の土地にアパートを建設することで7,600万円の評価減となり、相続税評価額が2,400万円に減額され、相続税対策として大きな効果を発揮します。
   ただし、相続税を減らす目的だけで賃貸アパートを建てるのはリスクが大きすぎます。借入金を賃料収入で返済するつもりでも、安定して収入が得られるとは限りません。借り手が見つからずに空室ばかりとなり、借入金の返済が滞るというようなリスクもあります。空室ばかりになると、賃貸割合の減少で貸家建付地や貸家の評価減も少なくなってしまいます。幸いに長生きができ、ずっと先に相続が発生ということになれば、借入金が減少していて期待したような相続対策にはならないこともあります。
   節税対策が主目的ではなく、不動産経営としてやっていけるか、長い将来までの展望を持ってやっていけるかが大事です。ということで、ご相談くださった方と一緒に色々と検討しています。
   わたしどもの事務所では相続税対策だけではなく、不動産の有効活用、不動産経営等についても相談に乗らせていただいています。何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘


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